ギタリストさん達がギターと共に愛用している「エフェクター機材」。ギターを弾き始めた頃は何の事やら・・・。どんな時に使うの?どんな音が出るの?そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
そこで、エフェクターボードに設置されることの多いエフェクターの種類や機能の違いを、kei@ギターの先生へインタビューして、Q&Aにまとめてみました♪
ギターの音色に変化を与えるエフェクター
「オーバードライブ」とは?
音を歪ませるものです。ロックの代名詞でもあります。この音一発でギタリストのかっこよさが伝わります。
――ロックの代名詞は気になりますね(笑)。オーバードライブの他にも歪みのエフェクターはどんなものがありますか?
kei:歪みは度合いのようなものがあって、基本的に歪んでない音がクリーントーン。スタンダードなところで言うと、そこから歪んでいくごとに、クランチ、オーバードライブ、その次がディストーション、ファズ、という風に呼び名が変わるんですね。ただ、その違いにあきらかな定義みたいなのは無くて、僕個人で感じる度合いは、アルペジオを弾いた時に立ち上がりの音がちゃんと聞き取れる程度がクランチかなって思います。
たとえば、アンプやオーバードライブなどのエフェクターの「ゲイン」というつまみを上げていくと、徐々に歪んでいきます。その音がクランチになってオーバードライブになって…という感じですね。クランチっていうエフェクターは無いので、このつまみをひねって変化させます。
「コーラス」とは?
音に揺らぎを与えるものです。クリーントーン(エフェクターを使わない音)との相性は抜群です。
――クリーントーンの時はいつも使う感じですか?
kei:クリーントーンの音でアルペジオを弾く時などにコーラスをかけるときれいなのです。必須と言っても過言ではない(笑)。
「ディレイ」とは?
音を遅らせるものです。ギターソロでは間違いなく使用します。
――ギターソロで使うとどんな効果が出るのですか?
kei:ソロの音に艶っぽさを与えられますね。原音から遅れた音が鳴るので、メロディラインが際立ちますね。より印象に残るというか体に入っていくというか…。リバーブと似ているんですが、ディレイは響くというよりは、艶、ですね。
「リバーブ」とは?
音に響きを与えます。お風呂に入ると響きますよね?アレを作り出します。
「コンプレッサー」とは?
音の粒を揃えます。強い音を抑え弱い音を持ち上げる。カッティング奏法の必需品ですね。
kei:人によっては必要ないこともあります。音の粒を揃えるっていうのも使い方のひとつで、例えば16分で刻むリズムの時に音の強弱がついてしまう時にコンプレッサーを使って強すぎる音を抑えて、弱い音を持ち上げて音のバランスをとるようなエフェクターです。音が揃うので上手く聞こえたり、安定した演奏になる効果があります。あとはカッティングの音が少しポコポコするようになるんだけど、それが独特の艶感になったりもします。
――上手く聞こえるならずっと使いたいですね^^
kei:ただデメリットもあって、ブルージーなフレーズを弾いた時のニュアンスが損なわれてしまうんですね。そういった音の強弱をあえて活かすようなフレーズの時はコンプレッサーは外します。
あと、ディストーションなどの歪み系のエフェクターとはノイズ(雑音)が乗りやすいのであまり相性はよくないかもしれません。ただもちろん両方を使う人もいて、メリットとしては音のサスティン(音が消えるまでの余韻)が伸びるというのもあります。
「マルチエフェクター」とは?
いろんなコンパクトエフェクターの機能をすべてひとつに集約させたものです。
――たくさんの機能がひとつに集まっているのは便利ですね。
kei:これがひとつあれば、歪みもコーラスもディレイもすべてまかなえる、というのが特徴です。金額的にもメリットがあるし、設置の利便性もあるしね。
――良い事ばかりのようですが、マルチエフェクターを使う時のデメリットもありますか?
kei:なんでも出来る反面、その扱い方が難しいというのがあります。コンパクトエフェクターならひとつの機能だけでつまみも少ないけど、マルチはそれぞれのエフェクターの使い方を把握したうえで設定しなければいけないので。複数のエフェクター機能を使うとなれば、その順番も設定しないといけないですしね。プログラミングの知識も必要になってくる。なので、最初からマルチを使うと、機能を使い切れない可能性も高いですね。
もし、エフェクターもプログラミングもさっぱり分からない、という状況だと危険かもしれないですね。その辺りを把握した上で使えば、とても便利な機材だと思います。
ギターを弾くための準備や、エフェクターを稼働させるための機材
「チューナー」とは?
各弦の音の高さを合わせるものです。
――種類は多いのですか?
kei:クリップ型になっていてギターのヘッド部分に付けて使ったり、フロアタイプという床に置いて使うものもあるんだけど、正確性を重視するなら断然フロアタイプがいいです。なぜなら、ギターから直接ケーブルをつないで使うから、周りの音の影響がないので。
――使いやすさとかはどうでしょう?
kei:そうですね…ライブのステージで使う時に、実際にチューニングする時って、曲の合間の時なので照明が落とされてる事が多いのでライトが付いているものや、デジタルが光るものだと便利かもしれないですね。あとは自分が見やすいものを選ぶといいと思います。
「ボリュームペダル」とは?
車のアクセルペダルと似た形です。踏み込むと音が大きくなり、戻すと小さくなります。
――購入するときは、踏み心地とかで選ぶんですか?
kei:そうですね、足の乗っかり具合とか。靴との関係とかも出てきますよね。
「ワウペダル」とは?
こちらも車のアクセルペダルと似た形ですが踏み込む事で音がキンキンに固くなり戻す事で籠った音になります。子供の頃お口にお手手あててアーアーやってましたよね?あんな感じです。
kei:難しいことを言うと、踏み込んでいくことで、周波数をリアルタイムで変化させていくペダルです。ちょっとおもしろい話があって、B’zの松本さんや、マイケルシェンカーさんが、「ワウの半開き」っていう使い方をしています。ペダルの踏み込み具合を中間で止めたままの、なんとも言えない独特なトーンを出す奏法なんですね。今は、この半開きの音を出すためのエフェクターもあるんですよ^^
「パワーサプライ」とは?
各エフェクターへの電源供給をします。
――使う時に気をつけることとかありますか?
kei:パワーサプライには、どれだけの電源を供給できるかの数値があるので、その容量を超えないようにするのが大事ですね。エフェクターを何個つなぐのかは接続端子の数でわかりやすいですが、各エフェクターのアンペアのトータルがそのパワーサプライで足りるのかを気をつけるといいと思います。それと同時に、各端子の限界もあるのでそこも注意が必要です。
「パワーディストリビューター」とは?
コンセントを繋ぐ電源供給です。。主に電流の大きいデジタル系のエフェクターを繋ぎます。
「ジャンクションボックス」とは?
音の入口と出口です。これを使う事により更に接続の利便性が向上します。
――エフェクターの数が多くても少なくても、使うと便利ですか?
kei:少なかったら使わない方がいいと思います。エフェクターや機材の数が多くて配置する場所が限られてきたとき、ギターからアンプへの流れを整理するために、ジャンクションボックスを使います。
「ワイヤレス」とは?
ケーブルを直接機材につながないでギターの音が出せるようになります。
kei:既にご存知かと思いますが、足元のコードがなくなるので、ステージ上を自由に動けます。パフォーマンスをするには欠かせない一品(逸品)です。
――暴れたい方はぜひ!という感じですね(笑)。選ぶときは何を基準に選びますか?
kei:基本的には電波の到達距離というか、稼働範囲ですかね。例えば10mとか、30mとかの種類があるので、受信機とどのくらい離れても大丈夫か?がわかります。デジタル2.4ギガのものなどがおすすめです。アナログは希望の距離数のものでも、デジタルにくらべると音があまり良くないので。また、デジタルワイヤレスはチャンネル数を替えられるので、一緒に演奏する人がワイヤレスを使ってても、混線しないですみます。
「スイッチャー」とは?
各エフェクターのイン、アウトを繋ぎその全てのエフェクターを管理するいわばギターサウンドにおける心臓部にあたるモノです。
kei:ボードにエフェクターを並べるとき、基本、足で踏むものやチューナーなど演奏中も見て確認したいものを手前に並べるんです。スイッチャーを手前に配置して、ボード内のエフェクターの組み合わせをスイッチャーにプログラミングして、スイッチャーのボタンをひとつずつ踏むごとに違う組み合わせの音が鳴る仕組みです。
――どんな人におすすめですか?
kei:1曲の中で3回以上エフェクターの音を変えたい人にはおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
使ってみたいエフェクターや、知らかったエフェクターなどもあったかもしれません。
こちらでご紹介したエフェクターは、エフェクターボードに設置されることの多いものばかりです。
これから機材をそろえていく時の参考になれば幸いです。
ぜひ、楽しいギターライフを過ごしてくださいね^^
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