たしか、私がまだ学生の頃、主婦向けのテレビ番組で、これから歌おうとする人の人生の苦労話をして、みんなの涙を誘ったところで
「さぁ!歌っていただきましょう!曲は『人生の○○○』~♪」
とカラオケ大会が始まる、というのがあった。コレは、「歌う人」の背景を知ってから音楽を楽しむタイプ。
同じ様に、その曲がどんな風に出来上がったのか、どんな意味を持つのか、どんな時代に作られたのか、など、曲の背景を知る事が、自分の感性も深まることにつながると思います。
曲の背景を知る
たとえば…センチメンタルジャーニー
ジャズのスタンダードナンバー。https://youtu.be/5qqMX-IwcZU
以前、歌が上手くなりたくて、ジャズボーカルの先生のレッスンを数回受けたことがあります。(歌、ホントに向いてないみたいで、すぐ断念しました(涙))
メロディがなんとなく好きだったので、ジュリーロンドンが歌うセンチメンタルジャーニーを練習してレッスンに持っていきました。英語の歌詞の和訳を調べた時に合わせて、いくつか曲の解説文なども読みました。
そしてレッスンで1度歌い終わると、先生から、「この曲の意味はご存じですか?」と聞かれたので、
「旅を終えて自分の家に帰る郷愁の歌だと思います。」
と答えると、先生から、「戦争から一時帰宅する時の歌よ。」と教えてもらい、(様々な解説文が情報としてあるので、どれが正解かはわかりませんが)自分の想像していた「家に帰る」とは全く違う時代背景の中での曲なのだと認識し、センチメンタルの度合いも、抗えない現実の中での物なのだと思うと、歌の重さも想像以上に重いのだとわかりました。
たとえば…ホテルカリフォルニア
セッションでいつもこの曲を叩くドラマーさんが欠席なので叩いて!と言われ練習した曲です。
曲を叩き終わって席に戻ると、セッションホストさんから、「この曲はそんなに重々しいロックじゃなくて、レゲエの影響を受けたカリフォルニアサウンドだから、ドラムのニュアンスが違う」と教えてもらった事がありました。何も考えず、いつもの調子で叩いてたので、「軽率だった」と思い、もう一度聞き直しました。なかなか自分のロック系が抜けず、何回目かのセッションで、
「だいぶ近くなってきた(笑)」
とやっと言ってもらいましたが。。。曲のルーツとか、時代背景とかを知ると、ビート感やノリも違うものですね。なかなか全部に対応するのは難しいですが( ;∀;)
たとえば…スローバラード
RCサクセションのスローバラード。中学を卒業する頃から好きで、相当音楽の影響を受けました。それまで、「日本語より英語がカッコいい」と思っていた私にとって、清志郎さんの日本語をいかにR&Bに乗せるか、を極めた歌は、とても衝撃的でした。そんな中での6/8ビートのバラード曲。
この曲に出てくる「市営グラウンドの駐車場」、当時住んでた家の近所だったんです。中学校の区域内で、友達と待ち合わせしたり、おしゃべりしたり、駐車場の営業がお休みの日はテニスの練習をしたり。(当時テニス部でしたw)
「清志郎はここからこの曲を作ったんだ」
と思いを馳せながら、ひとり駐車場に座り込んで空を見上げてみたりして。自分の中の想像力をフル回転させて、清志郎に近づこうとしてました。その曲を作った人、歌う人に少しでも近づきたい。音楽はそんな事を思わせる力もあるんですよね。
大好きな映画のロケ地に観光に行ったり、大好きな小説家が執筆に使っていた宿に泊まりに行くのなんかも、同じ心境だと思います^^
自分が出会った曲にそれぞれストーリーがあり、自分に何かを訴えてくる。それをどれだけ受け止められるかで、音楽を感じる心の深さも変わってくるのかもしれませんね♪
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